「JR展 世界はアートで変わっていく」 CURATORS TV

「JR展 世界はアートで変わっていく」 CURATORS TV

「JR展 世界はアートで変わっていく」のギャラリートーク

スピーカー

和多利浩一

会場

ワタリウム美術館

会期

2013 年2月10日-2013年6月2日

展示について

この展覧会は、現在最も注目されているフランス人アーティストJR(ジェイアール)のこれまでの活動を一堂に紹介する世界で初めての展覧会です。 これは、昨年よりスタートした震災後の展覧会三部作の最終章です。一つ目は『ひっくりかえる展』で、既存の社会を変えようとしている世界中のアーティストやアクティビストを紹介し、さらに『坂口恭平 新政府展』では、日常に創造的なレイヤーを重ねることであらたな社会を形成しようという実験でした 今回はJRが世界中のストリートに展示を始めるきっかけとなった最初の作品から、パリ郊外の公営住宅に住む若者たちの大型のポートレートを中心地のストリートに掲示した「ある世代のポートレート」(2004-2006年)、パレスチナ人とイスラエル人の巨大な写真を両側に提示した「向き合って」(2007年)、世界中の紛争で犠牲になった女性たちの尊厳を守ろうと大きなポートレートを掲げた「女性たちはヒーロー」 (2008-2010年)などこれまでの全プロジェクトを時系列にそってドキュメント映像で紹介します。 さらに重要なのは、展覧会に先駆け2012年11月、東北の被災地(気仙沼から福島まで)を巡り行った「インサイドアウト」計画の展示です。ポートレート撮影用のカメラと大型プリンターを装備した専用トラックは、東北の漁港の漁師や復興商店街の店主、子どもたち、およそ400名のポートレートを撮影し、それらを街中に展示したのです。このプロジェクトのドキュメントやポートレートは今回の展覧会の一部として発表されます。 JRの活動は自分のメッセージを伝えようとするのではなく、世界中のストリートに誰もが見られるギャラリーを作り、そこで新しい交流が生まれ、さらにそれぞれの地域の問題が世界に提示されることなのです。その活動のために、自身の名前をJRという匿名的なものにしています。 今回の展覧会では入場者も自分のポスター大のポートレートを受け取り、この「インサイドアウト」計画に参加出来ます。 JRはTEDプライズ受賞のスピーチ(2011年)で世界中の観客を驚かせました。 JRは言い切ります。「世界はアートで変わっていく」

アーティストについて

JR(ジェイアール) 1983年生まれ、フランス出身のアーティスト。屋外の建物や通りに巨大な写真を貼るというグラフィティ表現を用いる。世界各地で弾圧や貧困、差別のもとで暮らす人々を撮影し、それを現地の人たちと壁に貼る活動を展開中。現在はパリとニューヨークを拠点とする。 2011年、「世界を変えるアイデア」に賞をあたえる「TEDプライズ」を受賞。展覧会は、第54回ヴィネチア・ビエンナーレ(2007年)、「時代の肖像展」(テート・モダン、2008年)、「パリ・デリー・ボンベイ展」(ポンピドゥー・センター、2011年)などに参加。

スピーカーについて

和多利浩一(わたりこういち) 1960年生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。80年オン・サンデーズ設立、83年美術メディア出版社イッシプレス設立。90年よりワタリウム美術館キュレーターを務め現在に至る。92年ドクメンタ9で日本人として初めて働く。95年第1回ヨハネスブルグ・ビエンナーレの日本代表コミッショナー。「原宿・神宮前まちづくり協議会」を発足させ、その初代代表幹事を務めた。

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