アートダイエット Walking 「あいちトリエンナーレ 岡崎・豊橋地区」
1日1万歩。アートでダイエット。できるんです! 芸術祭はアートダイエットに最適です。 フリーパスを活用して、いつでも何度でも気が向いた時に実施できる。 会場が点在しているので、意識せずとも歩けてしまっている。 今回は、あいちトリエンナーレ岡崎・豊橋会場でのアートダイエットルートを実際の歩数や消費カロリーを交えてお伝えします。 初めての芸術祭、女子のおひとりさま芸術祭でも楽しめるポイントも一緒にご紹介します。 名古屋駅から電車でおよそ30分。岡崎地区からアートダイエットスタートです。
家を一歩出たところからすべては体験型アート
まずは名鉄東岡崎駅ビル(岡ビル百貨店)の会場。 昭和30年代に建てられた岡崎最古の現役百貨店と言われているビルです。 階段を1歩1歩上る度、まるで時代を逆戻りしているかのよう。 随所に昭和の佇まいを残す店内は、もう既に空間自体がアートです。 あいちトリエンナーレでは、家を出てから帰るまでのすべての出来事を体験型アートと考えるとより一層楽しむことができます。 旅を味わう。アート空間を感じる。会場の建物自体を楽しむ。 この3原則で、なんでもない街歩きにもアートがたくさん散らばっていることに気づくはずです。
岡ビル百貨店3階の会場には地球と一体化するアーティスト(写真)と、それを体感する鑑賞者。 二藤建人さんは、身体と世界との激しい触れ合いがテーマの作品です。 堂々と店内で寝転がって自分だけの世界に浸れるのですから、アートってすごい!と思いませんか?! 体験型アートに出会ったら、躊躇せず全力で体験してみることをオススメします。
移動手段だってアート
会場間の移動は基本的に歩きのはず… なのですが、この日は会場間を和船が運航していたので思わず乗ってしまいました(笑) あくまでもアート鑑賞が目的なので、必ずしも目標(1日1万歩)が達成できなくてもOK、予定変更もアリなのが、このゆる~いアートダイエットの特徴でもあるのです。 午前中の早い時間だったためか、この時間の乗客は私のみ。 贅沢にも和船を独り占めして、およそ10分の船旅を満喫しました。 途中、徳川家康生誕の地と言われている岡崎城も見ることができます。 トリエンナーレでは、移動手段も実際に体験型アートのひとつとして楽しめるようになっている事があるのでお見逃しなく。 ちなみに、名古屋会場には大巻伸嗣さんの作品がマッピングされたベロタクシー が移動手段として走っています。
船をおりて歩くことおよそ5分でインド人アーティスト シュレヤス・カルレ(Shreyas KARLE)さんの作品が展示されている岡崎表屋会場に到着。 岡崎表屋は戦後まもなく建てられた建物です。2階、3階の展示室へは通常の入口ではなく、右脇にある非常階段を上ります。
アート作品は触れる機会が増えるほど、日常にアートを見つけるのが上手くなります。 シュレヤス・カルレさんの作品は、一見昔ながらの見慣れた日本家屋のような室内にアートが。 というよりも、空間全体をアートとして作りこまれていたのです。台所にも穴の空いたコップがあったり、壁にはステンレスのオブジェのようなモノが引っかかっていたりします。もともと住んでいた人が使っていた家具や雑貨が、作家によって新たに作られた作品と共に置かれていて、見れば見るほど、どこからどこまでがアートなのかわからなくなります。 その謎に一度迷い込むと、もう日常生活の中に潜んでいるアートを探さずにはいられません。
表屋会場を見終わったところで、ここまでの歩数は1524歩。 次の会場岡崎シビコまでは徒歩およそ5分で到着しました。
まるで音楽フェス!?
大音量で流れる異国の音楽。心地よいビート。 ここは音楽フェスなのか!?と錯覚に陥る空間が登場。 岡崎シビコ会場の中で私が最も心躍った(身体も踊った)作品が、ハッサン・ハーン(Hassan KHAN)さんによる光と音のインスタレーションです。 音楽好きにはたまりません。
部屋に入ると、たくさんのスピーカーからシャビ(エジプトのポピュラーミュージック)が身体全体に降り注ぎます。赤や白に変わっていくライティングと共に、遠くエジプトの音楽に身を任せていると、自然と開放的な気分になって、あなたも思わず踊りたくなっちゃうかも。 音を楽しむ作品は思いっきり音楽フェスのように楽しむのがオススメです♪ 岡崎シビコには他にも野村在さんの作品や、後藤繁雄さんがディレクションした写真がテーマの「トランスディメンション-イメージの未来形」(参加作家:赤石隆明、ルーカス・ブラロック、勝又公仁彦、小山泰介+名和晃平、横田大輔)も展示されています。
岡崎シビコを後にして、向かうは岡崎地区最後の目的地、六供会場石原邸。 歩いて10分ほどで到着し、ここまでの歩数は4002歩。
幕末に建てられた登録有形文化財(建造物)「旧石原家住宅主屋」は、建物や庭を愛でるだけでも一見の価値ありです。 古き良き日本家屋に現代アートという芸術祭でしか味わえないコラボレーションもトリエンナーレの魅力です。 ここで岡崎地区は終了。 東岡崎駅まで歩いて戻り、ここまでの総歩数は6628歩。消費カロリーは175.2キロカロリーでした。
人間と鳥の立場が逆転!?
東岡崎駅から名鉄名古屋本線に揺られることおよそ20分。豊橋駅へ。 まずは、駅直結の穂の国とよはし芸術劇場PLAT(PLAT会場)をチェックします。PLAT会場には、大巻伸嗣さんの高さ7mにもなる壷型の《重力と恩寵》や、ジョアン・モデ(João MODÉ)の市民参加型の作品《NET Project》など、大型の作品も展示されています。
お次に水上ビル会場に点在している4会場へと向かいます。 現代アートは、“気づき”のアート。価値観を揺るがされる体験をよくすることがあります。 今回は、人間と鳥の立場が逆転してしまうという衝撃の体験ができる場所がありました。
ブラジル人アーティストのラウラ・リマ(Laura LIMA)さんの《フーガ》は、4階だてのビル全体に100羽の鳥が放たれて、自由に飛び回っているというインスタレーション作品です。 通常、鳥かごの中に入れられて人間に飼われているはずの鳥たちが、ここでは何とも自由奔放。人間が足を踏み入れることすら躊躇してしまうほどに、そこは紛れもなく鳥たちが主役の世界なのです。 スクーバダイビングが趣味の私には、それは海の中に潜っている感覚と似ている気がしました。海の中が魚の住む世界であるように、そこは鳥たちの住む世界。私たち人間は、その世界に“お邪魔する”という感覚です。 なんだか長居しては申し訳ない気がして、足早に会場を後にしたのでした。 人間と鳥の立場が逆転する世界に出会った時、あなたは何を感じますか? 水上ビル会場をすべて見終わったところで、総歩数9192歩。
トリエンナーレはフォトスポット天国
豊橋駅前大通会場のはざまビル大場で、リビジウンガ・カルドーゾ(Libidiunga CARDOSO)さんの《ライフ・オブ・アウストラロピテクスより》とウェンデリン・ファン・オルデンボルフ(Wendelien VAN OLDENBORGH)さんの《From Left To Night》をチェックします。
お次の開発ビルでは、2階から10階まで各フロアにそれぞれ全く異なる世界観が演出されています。10階のかつて劇場だった空間には、石田尚志さんによる光のインスタレーション、9階には壁一面佐々木愛さんのロイヤルアイシングという砂糖細工技法による壁画、5階には久門剛史さんのインスタレーションなど、見どころが沢山あります。 トリエンナーレでは、写真撮影可能な作品が多いのが最大の魅力のひとつです。 お子さんの撮影スポットとしてはもちろんのこと、おひとりさまでも是非記念撮影を!
開発ビルを見たところで、本日のアートダイエットは終了。 豊橋駅まで歩いてこの日の総歩数は11602歩。消費カロリーは303.3キロカロリーでした。 今回のルートでは、各会場間の移動が5分~10分程度と全く苦にならない距離だったので、ほとんど疲れを感じることなくまわることができました。 無事目標の1万歩を達成できたので、駅までの帰り道にあるレトロなパン屋「 ボン千賀」に立ち寄ってご褒美菓子パンをゲット♪
たくさん歩いて目標が達成できたら、ご褒美スイーツを摂取して、無理なく楽しくアートダイエットを続けましょう!
お気に入りの作品は身につけて気分を盛り上げる!
音楽フェスでフェスTシャツを着るように、お祭りで浴衣やはっぴを着るように、トリエンナーレでもオリジナルTシャツを着たり、作品の缶バッジを身に着けたりして気分を盛り上げるのも楽しみ方のひとつです。 私は今回、ネイリストさんにお願いして、あいちトリエンナーレ名古屋会場に展示されている今村文さんの作品を元にしたネイルアートを施してもらいました。
好きな作品をこんな風に身につけて歩けるのは、女子だけの特権です。 トリエンナーレはお祭りです。気分を盛り上げて、トリエンナーレ期間中にダイエットも成功させちゃいましょう! 元ラジオDJのわたくし羽田沙織がオススメする今回のアートダイエットコースに合わせて聞きたい1曲 『Feelin’You(Y.N.K.)』 WONK(ウォンク)
とにかくカッコイイ!こんな日本人がいたのか!と驚きました。 エクスペリメンタル・ソウルバンドを名乗る4人組バンドです。 彼らの音楽は、ジャズやソウル、ヒップホップをクロスオーバーさせていて、まるでアート。 9月14日にはファーストアルバムのリリースもあるので要チェックです。 アートダイエットに合わせて是非♪
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この夏は芸術祭でアートダイエット! Walking 「あいちトリエンナーレ2016」
http://www.artlogue.org/hada-column-aichi-triennale-2016/
あいちトリエンナーレ2016
テーマ:虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅
芸術監督:港 千尋
会 期:2016年8月11日(木・祝)~10月23日(日)
主な会場: 愛知芸術文化センター 名古屋市美術館 名古屋市内のまちなか(長者町会場、栄会場、名古屋駅会場) 豊橋市内のまちなか(PLAT会場、水上ビル会場、豊橋駅前大通会場) 岡崎市内のまちなか(東岡崎駅会場、康生会場、六供会場)
オフィシャルサイト:http://aichitriennale.jp/
乙川の和船 運航日 8月11日(木・祝)から10月2日(日)までの金土日 ※9月22日(木・祝)から25日(日)は除く 10時00分~18時00分の毎時00分、30分発 ※12時00分、12時30分の回は運休
参考
あいトリNAVI http://aitorinavi.net/
- コラム
- 佐々木愛
- 石田尚志
- ラウラ・リマ
- 田島秀彦
- 小山泰介
- リビジウンガ・カルドーゾ
- 後藤繁雄
- 野村在
- ハッサン・ハーン
- シュレヤス・カルレ
- 二藤建人
- 今村文
- 久門剛史
- 大巻伸嗣
- 名和晃平
- あいちトリエンナーレ
- WONK
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