私のサインコレクション。 作品だけでなく、作家にも注目。 違った角き度からのアートと結び付き

私のサインコレクション。 作品だけでなく、作家にも注目。 違った角き度からのアートと結び付き
アート好きのみなさんは、コレクションしていますか? そう聞かれると、「作品」収集と思われるかもしれませんね。中にはギャラリーで一目惚れの作品と運命の出会をしてしまい購入、その後は節約生活・・・なパターンの人もいらっしゃることでしょう。えぇ、実は私もです。だから、ギャラリーでは買いたい気持ちが盛り上がらないよう、極力無感情でいようとしているときもあるぐらいです。いやな鑑賞者です。 しかし、コレクションできるものは作品だけではありません。展覧会のチラシやチケットの半券、図録など。その他、あ!と驚くようなものを集めているアートマニアな方もきっといるはず。 私はというと、作家の「サイン」をコレクションしています。でも、作品にするサインではなく、そう、好きな芸能人に求める「サインしてくださ~い」的な図録や書籍へのサインです。
パラモデルの 世界はプラモデル展
2010年、西宮市大谷記念美術館での「パラモデルの 世界はプラモデル展」でギャラリートークに参加。楽しかったです。もう6年も前だとは・・・。
2010年、西宮市大谷記念美術館での「パラモデルの 世界はプラモデル展」でギャラリートークに参加。楽しかったです。もう6年も前だとは・・・。
 

恥ずかしくない。「サインをもらうこと」で深くなる

私のサインコレクションのほとんどが会期中のサイン会で、図録や本を持ってドキドキしながら列に並んで得たものです。こうやって改めて眺めて気づいたのですが、サインをしてもらっている瞬間のことは、鮮明に覚えているんです。目の前で、ペンを持っている作家の姿は、作品を作っているときでもなく、全くの素でもなく、「サインをしている」という独特の雰囲気を漂わせている気がします。雑誌やサイト上の写真、講演会などでは見れない一瞬の姿、生身の人間というか。 その印象が、それまでとは違う作品鑑賞に繋がったりすることもあり、それが面白く、「サインお願いします」へと繋がっているのかもしれません。 会田誠さんのサインは2012年、森美術館で行われた「会田誠展:天才でごめんなさい」のイベントのときにもらいました。
会田誠展:天才でごめんなさい
会田誠展:天才でごめんなさい
会田誠展:天才でごめんなさい
会田誠さん本人がいることにも、ワクワクしましたが、待ちわびる列に、特にアジアからの外国人が多かったことに驚きました。偶然、私の前に並んでいた人たちも「シンガポールから来たジャーナリストです」と、会田さんに名刺を渡して自己紹介されていました。 日本人アーティストも世界で活躍していることは、情報としては知っているのですが、目の前で外国の人が、その作家をほめてサインをもらい喜んでいる姿は、自分がサインをもらうことと同じぐらいエキサイティングな一瞬に立ち会えたような気にもなりました。よくこういう状況に立ち会っていたら、そうでもないのかもしれないですが・・・。 みなさんも作品を鑑賞するだけでなく、自分なりのアートとの接し方の1つとして、「サインください」は、いかがでしょうか。 もちろんマナーを守ることが大原則ですよ。

嬉し恥ずかし、私のコレクション

ここからは、もう少し私のサインコレクション自慢におつき合いください。
バルテュス展 Balthus: A Retrospective
バルテュス展 Balthus: A Retrospective
バルテュス展 Balthus: A Retrospective
これは2014年、東京都美術館「バルテュス展 Balthus: A Retrospective」の特別イベントで、ド・ローラ・節子夫人のトークショーの際に頂いたもの。バルテュス夫人としての人生は、素敵な言葉で語られていましたが、かなり苦労されたのではないかと感じました。これからの人生は、夫人ではなく、一婦人として、という強い心が垣間見れました。
福本潮子作品集 ー藍の青ー 出版記念展
福本潮子作品集 ー藍の青ー 出版記念展
福本潮子作品集 ー藍の青ー 出版記念展
2015年、京都高島屋「福本潮子作品集 ー藍の青ー 出版記念展」のときにサインをいただいた福本潮子さん。以前、別の場所で講演を聞き、ダイナミックで力強く、パワーのみなぎった素敵な方と感激。いつか作品でもある染物の茶室に入ってみたい。
踏みはずす美術史
踏みはずす美術史
踏みはずす美術史
2016年、群がりに紛れて、もらうことができた森村泰昌さんのサイン。国立国際美術館の「森村泰昌:自画像の美術史 「私」と「わたし」」での、映像はとてもおもしろかった。
茂木健一郎『挑戦する脳』
茂木健一郎『挑戦する脳』
茂木健一郎『挑戦する脳』
こちらは、茂木健一郎さん。テレビで見るより、何十倍も奇天烈でおもしろかったです。機会あれば何度もお話を聞いてみたい人。私が小学生の時にイタリア土産でもらったネックレスをしていたら、「お、いいね~。」なんて声かけてくれる余裕がさらにかっこよかったー。
サイモン・フジワラ
サイモン・フジワラ
サイモン・フジワラ「SIMON FUJIWARA: SINCE 1982」
2016年、東京オペラシティアートギャラリー「サイモン・フジワラ ホワイトデー」と同時期に、ギャラリーTARO NASUでの個展「Pearl Diving」で、サイモン・フジワラさんが若干無理してサインしてくださったものです。(その節はすみませんでした。) 購入した図録は過去にテート・ギャラリーでの展覧会のもの。英語で書かれているので、勉強がてら読むぞーと勢よく買ったけど、かなりきれいな状態で本棚にございます。ギャラリーには、年配の、しかもかなり品のいいご夫婦の2組が真剣に作品観ておられました。作品も美術館の傾向とは違って、興味深かったです。
日比野克彦『ひ―ESSAY OF KATSUHIKO HIBINO』
日比野克彦『ひ―ESSAY OF KATSUHIKO HIBINO』
日比野克彦『ひ―ESSAY OF KATSUHIKO HIBINO』
これが「サイン」収集のスタートです。日比野克彦さんは、定期的に京都河原町丸太町にあった「ギャラリーコクトー」で個展をされており、エッセイ『ひ―ESSAY OF KATSUHIKO HIBINO』発売記念のサイン会で頂きました。 会場は溢れんばかりの人で、ギューギューと押し合いながら日比野さんの話をみんなで聞いていたことを思い出します。写真の日比野さん、若い! と、それぞれのサインを見ていると話は尽きませんが、この辺でお開きにします。 みなさまも自分なりのコレクション、はじめてみてはいかがでしょうか。 参考 パラモデルの 世界はプラモデル展 会場:西宮市大谷記念美術館 会期:2010年6月26日~8月1日 会田誠展:天才でごめんなさい 会場:森美術館 会期2012年11月17日~2013年3月31日 http://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto_main/ バルテュス展 Balthus: A Retrospective 会場:東京都美術館 会期:2014年4月19日~6月22日 http://www.tobikan.jp/exhibition/h26_balthus.html Amazon:バルテュス展 公式図録 福本潮子作品集 ー藍の青ー 出版記念展 会場:京都高島屋6階美術画廊 会期:2015年7月1日~7月7日 Amazon:『福本潮子作品集 藍の青 FUKUMOTO SHIHOKO JAPAN BLUE』 森村泰昌:自画像の美術史 「私」と「わたし」 会場:国立国際美術館 会期:2016年4月5日~6月19日 Amazon:『自画像の告白: 「わたし」と「私」が出会うとき』 Amazon:『踏みはずす美術史』 Amazon:『挑戦する脳』 茂木健一郎 「サイモン・フジワラ ホワイトデー」 会場:東京オペラシティアートギャラリー 会期:2016年1月16日~3月27日 http://www.operacity.jp/ag/exh184/ サイモン・フジワラ「Pearl Diving」 会場:TARONASU 会期:2016年1月16日~2月13日 Amazon:『ひ―ESSAY OF KATSUHIKO HIBINO』 日比野克彦  
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