「塩田千春展 ―ありがとうの手紙」 CURATORS TV
「塩田千春展 ―ありがとうの手紙」のギャラリートーク
スピーカー
松本教仁
会場
会期
2013年7月7日~9月23日
展示について
世界中の多くの美術関係者から熱いまなざしを集めている美術作家・塩田千春の新作展を開催いたします。大阪府に生まれ、現在はドイツ・ベルリンを拠点に世界各国で精力的に作品を発表し続ける塩田千春は、作品の壮大なスケールから若き巨匠作家としてその動向が常に注目を浴び続けている作家のひとりです。塩田千春のルーツは、高知県幡多郡旧大方町(現黒潮町)であり、幼少期に過ごした高知の夏の様々な記憶が彼女の作品制作の発露となっています。何気ない日常生活の中でふと感じる違和感や湧き上がる不安な気持ち。ただそれに流されるのではなく徹底的に向き合い、突き詰めていくことによって生み出される彼女の作品群は、国籍や民族の違いを超えて、壮大な空間スケールでもって観る者の眼前に迫ってきます。本展覧会では塩田千春の創作の原点であるこの高知県の風土、歴史にこだわった新作を発表します。県民の方々にも参加していただいた作品も制作する予定です。あらゆるものの「ありがとう」の思いが凝縮した塩田千春の作品世界をどうぞご体感ください。
アーティストについて
塩田千春(しおた・ちはる) 1972年、大阪府に生まれる。両親が高知県幡多郡旧大方町(現黒潮町)の出身。幼少時は毎年のように旧大方町でひと夏を過ごしていた。1996年、京都精華大学洋画科を卒業。同年よりドイツ・ベルリンに活動拠点を定め、作品の制作とともにブラウンシュバイク美術大学にてマリーナ・アブラモヴィッチに、ベルリン芸術大学にてレベッカ・ホルンに指導を受ける。2001年に「横浜トリエンナーレ2001「メガ・ウェイブ 新たな総合に向けて」」(パシフィコ横浜展示ホール)に出品した巨大ドレス作品〈皮膚からの記憶〉が大きな話題を集める。以後、ヨーロッパ各国やアメリカ、日本での個展開催やグループ展への出品、舞台美術制作等を数多く重ね、日本においては2004年に「塩田千春 in Silence」(広島市現代美術館)、2007年に「沈黙から 塩田千春展&アート・コンプレックス2007」(神奈川県民ホールギャラリー)、2008年に「塩田千春 精神の呼吸」(国立国際美術館)、2009年に「塩田千春展―流れる水」(入善町下山芸術の森 発電所美術館)、2012年に「塩田千春 私たちの行方」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)など、大規模な個展を多く開催している。2002年にフィリップモリスアートアワード2002大賞受賞、2008年に平成19年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。現在もベルリンを拠点に作品を制作。当館での個展と同時期に開催される「瀬戸内国際芸術祭2013」の豊島会場において、塩田作品が公開されている。
スピーカーについて
松本教仁 MATSUMOTO Norihito 1966年、高知市生まれ 1984年、高知県立高知追手前高校卒業 1991年、関西学院大学大学院博士課程前期課程文学研究科修了 同年、高知県教育委員会(県立美術館建設準備室)採用 1992年、世田谷美術館にて研修 1993年より高知県立美術館学芸員 2003年、日仏芸術文化関係者交流事業にてフランスで研修 2007年、高知県立美術館学芸課チーフ 2013年、高知県立美術館・石元泰博フォトセンター長代理兼務 自主企画展覧会 1995年 「クールの時代 ―美術のノイズ・ミュージック」展 1997年 「こんなアヴァンギャルド芸術があった! ―高知の1960年代」展 2001年 「森村泰昌と合田佐和子」展 2008年 「高知県立竜宮城 ―高知の造形文化展」 2013年 「塩田千春展―ありがとうの手紙」 その他の企画 1994年 画家レッド・グルームスによるアート電車「ジョン万次郎」企画実施 1995年 映像作家・大木裕之による映画作品「HEAVEN-6-BOX」プロデュース ※第46回ベルリン映画祭フォーラム部門ネットパック賞受賞 1996年 画家・篠原有司男によるアート電車「空海現る!」企画実施 1998年 彫刻家・若林奮による作品「石枕」設置 1999年 「ヤンガーアート2000-1」展 2000年 「NO BORDER 高知のアーティスト・カタログ」展 2002年 「SOUND & VISION Live 西村記人&Dr.YSサワサキヨシヒロ*ライブ・パフォーマンス」公演 2003年 「5 ROOMS 10名の女性アーティストによる公開制作ワークショップ」 2006年 「土佐の模型文化展」 2007年 「ログズギャラリー ガソリン・ミュージック&クルージング」パフォーマンス 「NO BORDER 3 高知のアーティスト・カタログ 第三章」展 2009年 「NO BORDER 4 高知のアーティスト・カタログ 第四章」展 担当展覧会 「開館記念展 美術の方舟」(1993)、「アメリカ現代美術の巨匠 レッド・グルームス展」(1994)、「オランダ・ボイマンス美術館所蔵 バルビゾン派から印象派展」(1997)、「鉄の静寂 若林奮展」(1997)、「ポップ・アートの巨匠 アンディ・ウォーホル展」(2000)、「Motion&Colorアレクサンダー・カルダー展」(2001)、「山本容子の美術遊園地展」(2002)、「有元利夫展」(2003)、「ピカソ展―幻のジャクリーヌ・コレクション」(2004)、「ベラルド・コレクション ポップアート&CO.展」(2005)、「造形集団海洋堂の軌跡展」(2006)、「ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」展(2008)、「蜷川実花 天上の花、地上の色」展(2009)、「サンデー&マガジンのDNA展」(2010)、「日本近代洋画への道 ―山岡コレクションを中心に―」(2011)、「ジョアン・ミロ版画展」(2012) ほか映画上映会企画多数 論文 『それからの土佐派と、現代美術の実験』 (高知県立美術館研究紀要第1集、1999年) 『1980年代高知における現代美術展覧会について』 (高知県立美術館研究紀要第4集、2002年) 『戦後高知の前衛美術集団興亡史』(高知市史研究第2集、2004年、高知市発行) 『県展と高知のアートシーン この10年』(第60回高知県展目録、2006年、高知新聞社発行) 『洋画家・中村博について』(高知県立美術館研究紀要第8集、2011年) 役職 高知県立大学非常勤講師 徳島県那賀町相生森林美術館協議会委員 愛媛県新居浜市新美術館建設準備室委員
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